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 京都在住のコラムニスト、石橋郁子さんのエッセイをお届けするメルマガ
 です。今の京都というよりは、失われつつある伝統的なよき庶民の暮らしを
 自らの子供の頃からの、この町での生活体験に基づいてお伝えします。
 観光ガイドには載っていないありのままの京都の暮らしをお楽しみ下さい。

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 『神迎え』

 いつもと同じ朝のはずなのに、京都のお正月ははんなりと明けます。大晦日
 まで、誰もがあんなにも気ぜわしくたち働いていたのに、元旦は皆おっとり
 した表情で、常には自動車の排気ガスでほこりっぽい大路小路もしんと静ま
 りかえって何やら清冽な佇まい。家並みの美しさがいっそう目立ち、お正月
 は古都・京都の面目を取り戻す時でもあります。

 何事も「分相応」を美とするこの町では、神迎えのための門松もいたって控
 えめ。どんな大店でも大げさな松飾りは避け、大抵の家では「根引きの松」
 を門松に飾ります。根が付きますようにとの願いからか、根こそぎ引いた細
 い若松の木の部分を白い半紙に巻き、紅白の水引で結んだ質素な松飾りで、
 これが先祖神の依り代です。ご先祖さまや歳神さま(※)は、これを頼りに
 家にお入りになるのです。

 京都の三が日のお雑煮は白味噌仕立て。御所風を真似て、昔はぜいたくな
 調味料だったという白味噌を使ったのが始まりだと聞いています。少し黄味
 がかった白味噌をこってりとだしに溶いて、とろりと甘い典雅な味のお雑煮
 で、生臭を慎んで昆布だけでだしを取るのも京都ならでは。お雑煮を炊く火
 は、前日の大晦日に八坂神社でいただいた「朮(おけら)」の火。「朮詣り」
 (※)と呼ばれる参拝を済ませ、長い細縄に神前の火を移し、火が消えない
 ようにクルクル縄を回しながら家に持ち帰ります。元旦の朝、若水を汲んで、
 この火を使って神に供える雑煮を炊くのです。正月行事のすべてが、神事で
 あることを思い起こさせてくれます。

 中に入れる具は大きく丸い頭芋、小芋、女の薬指ほどの小さな雑煮大根、
 そして丸餅。何もかもが丸い形をしています。何事も丸いのが好きな京都人
 好みの、丸くて甘いお雑煮ですが、私を含め、これを食べて育った京都人は、
 「白味噌雑煮やないとお正月がきいひん」としんから思っているのです。

 お雑煮は、男は朱の椀、女は外が黒、中が朱の椀でいただきます。何でも朱色
 の方が格式が高い色だからだそうですが、男女平等の現在では意味のない色分け
 です。それでも、かなり進歩的なお人でもお正月ばかりは「男は朱、女は黒」
 と器を調え、神妙な気分で「お祝いやす」と雑煮を祝います。これが、伝統
 の重み。理屈ではなく連綿とただつなぐことに意味があるのかもしれません。

 私がまだ小さかった頃、父はお餅のことを「あも」と呼んでいました。私も
 そう呼んでいましたが、いつの頃からか、「お餅」と呼び変えるようになり
 ました。家にテレビが入ってきて、標準語の美しさに子供心にひかれたから
 でしょうか。時代の移り変わりとともに、そんな古風な言葉を話す人も次第
 に少なくなってきたようです。「あも」は、宮中で使われた「御所言葉」だ
 と知ったのはもっと後になってからのことでした。

 千年の王城であった京都には、庶民の間にもたくさんの御所言葉が息づいて、
 寿司を「おすもじ」、茎系のお漬物を「おくもじ」、人に逢うことを「お目
 もじ」などと、御所の女言葉である「もじ言葉」も、まだまだたくさん残っ
 ています。今でも大原あたりに行くと「こちらに座ってお茶でも飲んでたも
 れ」などと、美しくゆかしい御所言葉を話すおばあさんがいたりして...。
 そんな人に逢うと、「もしや、平家物語のヒロイン建礼門院ゆかりのお人では」
 と、全身が総毛立つほどの不思議な感動を覚えてしまうのです。

 家族のものが四方を拝して、今年の恵方に神棚を向けて(恵方棚と呼ばれる
 神棚は360度回転するようになっていて、元旦の朝、その年の恵方に向き
 を変えます)この一年の幸せを祈るのです。

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